現在、熊本市現代美術館で開催中の「熊本城×特撮美術」天守再現プロジェクトの終了時期が迫ってきている。3月18日(日)までだ。
そこで、今回、特別にご許可をいただいて、シン・ゴジラなどの特撮美術を手がけられたことで有名な三池監督にインタビューさせていただき、今回のプロジェクトに込められた想いなどをお聞きしてきた。
目次
「熊本城×特撮美術」天守再現プロジェクト@熊本市現代美術館
特撮とは?
「特殊撮影」の略で、ミニチュア、模型やCGなどを用いて、通常の撮影では撮れないない映像をつくり出す撮影方法のことで、一般的にはウルトラマンやゴジラなどのヒーローや怪獣の映画などが有名。
特に男の子は小さい時に一度は見たことがあるはずだ。
三池監督とは?
そんな特撮界の重鎮が三池敏夫監督。特撮研究所という会社に所属している特撮の美術監督さんなのだ。しかも熊本出身で、いろいろな有名な作品に携わっておられて、最近では「シン・ゴジラ」を担当されたことでも有名だ。
僕が小さい時に大好きで見ていた「仮面ライダーBLACK RX」や「ゴジラ」「モスラ」などを手がけられているので、お会いできるなんて思っても見なかったぞ!インタビューの時には手が震えてしまっていたくらいだ。
特撮にあまり興味のない人にとっては、ピンとこない人もいるかもしれないが、特撮を知っている人からすると超大物で神のような存在の人なのだ。
そんなヒーローや怪獣映画には欠かすことのできない三池監督が、今回は特撮美術の技術を使って熊本城と熊本の町並みをミニチュアで再現してくれた!
これはもう見に行くしかないし、インタビューするしかない!
ということでインタビューに行ってきた!
ちなみに、三池監督は熊本高校卒業らしい。
三池監督にインタビュー
おすすめのコース
この三池監督へのインタビューと特撮美術のミニチュアたちを観て回って、会場で過ごした時間は3時間ほど。それでも時間が足りないくらいに感じた。大雑把に観ても楽しいけど、細かく観て行く事も楽しい。
そこで、今回は、くまきゅー取材班のおすすめの楽しみ方をご紹介しておく。
まずはミニチュア模型を自由に見て!
まずは全体像を掴むために、自由に特撮美術のミニチュアをグルリと観て回って欲しい。
次はメイキング映像を観よう!
ぐるっと全体を観終わったら、このミニチュアたちができるまでのメイキング映像が観れるセクションがあるので、そこでメイキングをチェック!
このメイキング映像では、「ミニチュアを作ることがいかに難しいか」「どんな所に工夫がされているか」がわかりやすく収録されているぞ!
再び、ミニチュアを見て回ろう!
メイキング映像でミニチュアへのこだわりや工夫がわかったところで、次はミニチュアたちの細部を見ていこう!
特に熊本城!!!
細部まで精巧に再現されていることに気づくはず!
ここが注目ポイント!
まずは全体像を。
熊本城も圧巻だけど、まずは全体像を把握!
町のミニチュアも楽しい仕掛けがあるので、ざっと全体をチェック!
洗濯物も干されていたり、しかも、その洗濯物がシン・ゴジラのタオルだったり熊本城のTシャツだったりするこだわりも発見!
これこれ!電車通りの通町筋のあたりから熊本城を望むこの景色!
熊本の街を象徴する風景だ!
でも、これ、熊本の街を完全再現したのではなく、特撮のウルトラマンシリーズなどの色々な作品で使われたミニチュアの中から熊本の町並みに似合うミニチュアセットを持ってきて配置しているのだとか。
なので、熊本の街を完全再現してるわけではないのだそうだ。
でも、完全にあの電車通りの風景に見えるよね。
この下通と上通の商店街アーケードの入り口は、初めの作成計画には入ってなかったそうだ。ボランティアで参加した人や学芸員さんが自ら百均などで材料を購入して作ったそうだ。
取材日に案内してくれた設営インターンの宮地崇仁(37)さんが丁寧に教えてくれたぞ!この方は根っからの三池監督ファンらしく、横浜・名古屋・熊本での三池監督のイベントでは最多出席者では?という話が出ているそうで、今回のワークショップでも唯一の完全出席者だそうだ。
今度は細かく見ていこう!
ほら!事故かな?
警察に捕まっている人もいるぞ!
ガードレールを飛び越えている人もいる!
すごい跳躍力!!
マンションの郵便受けにポスティングされたものまで再現されている!
ゴミやビン、さらには傘立ての傘まで再現されているぞ!
京町のバス停も作られていて、京町っぽくなってる!
なんと言ってもこの電車通りからの風景がやっぱり好きだなぁ!
ということで、怪獣になって写真撮影も!
自分が怪獣やヒーローになれるってのもミニチュアの醍醐味の1つだな!
一通りざざっと見たら、ここでミニチュアのメイキングムービーを観に行こう!
そして、それを観てから熊本城の鑑賞だ!
やっぱり熊本城はかっこいい!
瓦の細部まで丁寧に再現されているのには驚きだ!
見落としそうな軒下も丁寧に作り込まれている。
天守閣上部のシャチホコもめっちゃ細かく再現!
すごいのがこの木の外壁のリアル感!
実際の熊本城もこんな感じで黒い部分と少しはげて木の色が出てきている部分があったから、こんな細部まで忠実に再現するなんて!と思った!
もちろん細かい窓のところも
そして、この天守の屋根のぐいっと曲がっている部分の再現がすごい!
どうやってこれを作り出しているかはメイキング映像で確認して欲しい!
熊本城のシンボルでもある武者返しもきちんと再現されているぞ!
三池監督も言っていたが、今回、この熊本城を再現したのは、伊原弘さんという方だそうだが、ここまで細部にこだわった再現は他の現場ではないそうだ。特別に今までの技術を総動員して作ったかなり貴重な物だそうだ。そして、ここまで精巧なミニチュアを作れるのは日本でも彼くらいしかいないのだそうだ。
会場を見て回っているとニコニコ?ニヤニヤ?しながら画材道具を持って壁の方へ歩いていく三池監督を発見!
ついて行ってみると・・・
口に人差し指を当てながら「シー。これ内緒ね?」
と言いながら絵を描き始めた!
壁をよくよく見ると・・・
雲の中にどこかで見たような形の雲が・・・
こういう”おもしろい”形の雲が10数個隠れているらしいぞ!
さてさて、お次は有名人探しだ!!
くまモンはもちろん!おもてなし武将隊も発見!
熊本出身の俳優・中原丈雄さんも発見!
その奥には大西市長も!
マンションの一室には石原良純さんもいたぞ!
こんなところにも大西市長!
お!三池監督も発見!!
今日のインタビュー時と同じ服装(笑)
また大西市長!
他にも「彼女に振られる瞬間の人」など、いろんな設定の人がいたりするので、探し回って欲しい!
毎日、時間限定で、熊本城とミニチュアセットの照明が夕方〜夜の風景に切り替わるぞ!
時間は以下の通りだ。
- 10:00 ~ 11:30
- 12:00 ~ 12:30
- 14:00 ~ 14:30
- 16:00 ~ 16:30
- 18:00 ~ 18:30
こんな感じで夜の熊本城も見れるぞ!
夜の熊本城もやっぱりこの電車通りからの風景が好き!
他にもボランティアさんと学芸員さんたちがミニチュアを作ったり、看板を作ったり、人の写真を切り抜いたりした作業スペースも残されているぞ!
さらに、順路の最後の方には、阿蘇神社の楼門も再現されている!
これはかなり嬉しい!
実はあの地震の前月近くまで行っていたのに、「またに見来たらいいや」と見なかったのだ。そのせいで、熊本に移住してきて一度もこの楼門を見たことがなかったのだ。
こっちもかなり精巧に復元されている。
全体像もかっこいい!
そして、この屋根の歪曲部分。
これだけの流線型を木で出すのって難しいだろうなぁ。
もう実物にしか見なくなってきた・・・
今回のミニチュアのすごいところは裏からも見れること!
裏の部分もかなりリアルに復元されいてるぞ!
他にも紹介したいところは山ほどあるのだが、全てを紹介すると写真が2000枚くらいになってしまいそうなので、実際に行って確認して欲しい!
場所
熊本市現代美術館
開催概要
開催期間 | 2017年12月16日(土)〜2018年3月18日(日) ※火曜日は休館。ただし、火曜日が祝日の場合は開館し、翌日が休館となります。 ※年末年始(12月29日〜1月3日)は休館 |
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時間 | 10:00〜20:00 ※展覧会入場は19:30まで |
会場・ 問合せ | 熊本市現代美術館 [住所]熊本市中央区上通町2-3(周辺地図・アクセスはこちら) [TEL]096-278-7500 [HP]http://www.camk.or.jp/ [HP]http://www.kab.co.jp/special/tenshu_saigen/ |
公式Twitter
「熊本城×特撮美術 天守再現プロジェクト展」のフォトコンテストを開催します!審査員は、もちろん三池敏夫特撮美術監督!優秀作には三池さんのサイン入りグッズの賞品も!応募締め切りは3/6。みなさまのご応募お待ちしています!
詳細はこちらをご覧ください。https://t.co/4pFFfWIpF1 pic.twitter.com/JYbDzagGO8— 熊本城×特撮美術 天守再現プロジェクト展 (@tenshu_saigen) 2018年2月28日
チケット
前売券・団体(20名以上) | 当日券 | |
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一般 | 800円 | 1000円 |
シニア(65歳以上) | 600円 | 800円 |
学生(高校生以上) | 400円 | 500円 |
中学生以下 | 無料 |
- 美術館友の会証をご提示の方無料(1展覧会につき1回限り)
- 団体料金は下記をご提示の方にも適用
各種障がい者手帳(身体障がい者手帳、療育手帳、精神障がい者福祉手帳、被爆者健康手帳など。付き添いの方一名にも適用)、電車・バス1日乗車券、JAF会員証、緑のじゅうたんサポーター証
中学生以下は無料!
今回取材して、感じたのは、一度だけでなく何度も足を運んんで見たくなる展示だった。それもそのはず、ボランティアさんや学芸員さんたちはもちろんのこと、三池監督も未だに絵を書いたり、季節ごとの看板に差し替えたりと少しの変化を演出しながら展示を続けているのだ!
行くたびにきっと新しい何かを発見できるはずだ!
また、絶対行って欲しいのは、中学生以下の子どもさん!!!
無料ということもあるが、絶対ワクワクする!
「自分も作ってみたい」「怪獣になってみたい」「日常ではない視点で考えられる」などなど、教育的な視点でもおすすめできる展示会になっているぞ!
3月18日までの展示なので、ぜひ、大勢のお友達と一緒にお子様と一緒に見に行って欲しい!
取材者 | ライター | カメラマン |
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[インタビュー記事一覧]