嘉島町が2022年夏、官民連携事業で県フットボールセンター(仮称)を開設します。熊本市のびぷれすイノベーションスタジオで行われた記者会見を取材してきました。

熊本フットボールセンター(仮称)の完成予定図 ※熊本県サッカー協会提供
目次
サッカーの”新拠点”には保育園やカフェも併設
現在、KFA(熊本県サッカー協会)にはキッズからシニアまでの約500チーム・およそ選手17000名が登録されています。
公式戦会場が不足状態になっていている現状の解消と県サッカー界の強化育成の拠点を目的に熊本県フットボールセンター(仮称)が開設されます。
官民一体の熊本県フットボールセンター
嘉島町は以下の形で官民一体となって熊本県フットボールセンターを運営していきます。
- 本計画は嘉島町とKFAとの官民連携事業で、設置管理許可制度を適用した「嘉島町総合運動公園整備事業」として、嘉島町総合運動公園東側拡張地約5.4haに対し追加整備を行います。施設整備はKFAが自己資金のほか日本サッカー協会や国際サッカー連盟からの補助金を活用して建設し、完成後嘉島町に無償譲渡。管理はKFCが行います。
これに伴い、年間10万に以上の来訪者を見込んでいます。
熊本県フットボールセンターの施設案内
- ナイター付きの人口芝グランドフィールド二面
- 更衣室、シャワーを備えたクラブハウス
- 400台収容可能な駐車場。人工芝広場
- カフェ
- 保育園、ヨガ等フィットネスプログラムのための多目的スタジオ
- ランドリー
- 会議室やコワーキングスペース
グランドの使用方法
グランドの使用方法は、主に土日祝はKFAが主催する試合や事業を行い、平日夕方から夜かけ嘉島町や県内のサッカー教室や中高生年のクラブ、部活動の練習の使用を目標としています。
保育園について
公園内に併設された企業主導型で運営する保育園は全国初です。
3歳児から5歳児約30名程度を募集し、広大な芝公園やサッカーグランドを活かしKFAの指導者も参加し独創的な運営を行うそうです。
カフェやその他の施設について
地域の交流拠点として多目的スタジオやカフェが併設され、マルシェや芝生広場を使い映画の上映などを行います。サッカー以外での利用が可能となり、グランドの利用が少ない平日の昼間にも施設への集客確保を狙います。
荒木・嘉島町長のコメント

写真左・荒木嘉島町長 右・前川熊本県サッカー協会会長
- 嘉島町総合運動公園は、良好な運動拠点として町内外の多くの方々にご利用いただいているところですが、サッカー競技による公園利用が多く、既存の公園施設では供給が追い付かない状況が続いておりました。そこで、公園区域を拡張することによるサッカーコートの増設を計画。整備手法についてはコスト削減、より充実した管理運営体制の構築が期待できる形での民間資金の導入による事業展開を検討しておりました。そのような中、一般社団法人熊本県サッカー協会から官民連携事業の提案を受け、公園施設設置管理許可による公園整備事業として、この度事業をスタートすることになりました。本事業が、町内社会体育の充実や交流人口の増加をはじめとした町の発展や、県内サッカー競技のさらなる盛り上がりに寄与することを期待しております。
前川隆道・熊本県サッカー協会長のコメント
- 官民連携事業による「熊本県フットボールセンター(仮称)」の建設は、2015年に田川前会長就任時に表明された当協会の中期目標の一つで、「熊本県を全国で有数のサッカー王国に育てる」と並ぶ、協会の悲願とも言える事業です。しかし、センターは単にサッカーファミリーのためのグラウンドというだけでなく、保育園、カフェ、コワーキングスペースなども併設する複合施設として、近隣住民の方々や他のスポーツも交えたスポーツ文化の発信拠点として整備する計画です。地域にスポーツ文化を根付かせる上でのモデルケースとして、さまざまな世代の交流の場となることを期待しています。
松下涼太・熊本フットボールセンター代表取締役のコメント
- 熊本県フットボールセンター(仮称)の運営にあたっては、「持続可能であること」と「スポーツ文化の醸成」というコンセプトを掲げています。幼稚園、カフェ等の収益施設を通じて“稼ぐ”機能を持ち、長期に渡って持続可能な施設を目指します。また、さまざまな世代がスポーツを媒介にして豊かな時間を過ごせる場にし、熊本のスポーツ文化を醸成していきたいと考えています。加えて、立地する嘉島町をはじめとする近隣地域とのつながりも重視。施設利用者だけでなく、協力事業者もできる限り地元企業や個人とパートナーシップを組むことで、地域内で人やお金が循環する仕組みを作ることも目標としています。
まとめ
地方の人口減少が問題となる中で嘉島町の人口は増加の傾向にあるそうです。この熊本フットボールセンター(仮称)がサッカーを中心とした地域交流の拠点となり更なる嘉島町の発展していくことが期待されます。